2011年12月9日金曜日

明治粉ミルクと町田市などの学校給食の牛乳問題について-たんぽぽ舎より-

たんぽぽ舎です。【TMM:No1277
                           転送歓迎

         ◆ 地震と原発事故情報 その262
         5つの情報をお知らせします(12月8日)


 ★1.粉ミルクにセシウム 測定なくして安全なし
 ★2.<テント日誌 12/6()
              たくさんの出会いと交流があるテント
                ―― 経産省前テントひろば 87日目 ――
 ★3.読者から
   イ.柳沢裕子医師『低線量被曝と闘う』講演会のお知らせ
     12月9日(金)東京・大井町
   ロ.「原発責任・東京電力福島第一原発
     ―40年間の歴史と東電の抱える根源的問題―」
     12月11日(日)静岡県・浜松市
   ハ.放射能汚染から見たチェルノブイリと福島
     12月11日(日)山口県・周南市
   ニ.【固定価格買取制度で風力発電は変わるのか?】
     ~なぜこれまでの風力発電事業がうまくいかなかったのか。
      現状と今後~
     12月13日(火)東京都・京橋
 ★4.スペースたんぽぽからのお知らせ
   イ.☆★原発についてみんなで観よう!ワンコイン上映・勉強会★☆
     1215日(木)1900~(1830開場)
   ロ.大好評ヨーガ教室の予定連絡
 ★5.その他、デモの予定など


★1.粉ミルクにセシウム 測定なくして安全なし
                               山崎久隆
 セシウム137と134が合わせて約30ベクレル検出された明治の粉ミル
ク。「明治ステップ850g(缶)」という製品で、12月3日と4日に検査で発
見されたという。ホームページには測定データも公表している。
 明治は、セシウムが検出された製品約40万缶について回収を行うことにし
た。以前の明治とは大きく違った対応の理由は何だろうか。
 粉ミルクのセシウムは乾燥重量でキログラムあたり最大30.8ベクレルで
あるから、飲む段階で溶かしていることを考えれば、摂取する段階で濃度は薄
まることになる。おおむね30グラムを200ミリリットルのお湯に溶かすと
いうから、この状態では1リットルあたり0.8ベクレル程度になる。大量の
放射性物質が混入したとは言えないはずだが、明治は粉ミルクの無償交換を始
めた。このこと自体は良いことのはずだが、そうなると9月に同じ明治を舞台
に起きた給食の牛乳問題は一体どうなるのかという疑問がわく。
 10月、東洋経済誌に明治乳業の学校給食用牛乳のセシウム汚染問題が取り
上げられた。測定をしたのはたんぽぽ舎にある放射能汚染食品測定室、依頼を
したのは町田市議会議員の吉田つとむ氏だ。このとき町田市の学校給食用牛乳
からキログラムあたり6ベクレルのセシウムが検出された。吉田市議は直ちに
明治に対し公開質問状を出し、町田市には学校給食の放射能測定を要請した。
 明治の回答は「(集荷地域にある)各自治体等の調査結果において、放射性
物質は暫定規制値を大きく下回り安定しております。したがいまして、牛乳の
安全性は確保できているものと判断しております」という木で鼻をくくる回答。
セシウムが入った原因や対応策の説明は全く無かったという。
 町田市もまた、まるで人ごとのような対応だったと吉田市議は語っている。
(10月29日週刊東洋経済)
 一方、今回の粉ミルク問題では、飲む段階では遙かに低くなるはずの粉ミル
クを40万缶も回収するという。この対応の違いは一体何だろうか。
 さらに奇妙なのは、今回の粉ミルク問題では汚染原因について説明をし始め
ていることだ。ではなぜ学校給食用牛乳で説明を拒否し続けたのだろうか。
 考えられることは、このときの対応に対して吉田市議のように厳しく追及す
る人がいたことが明治の対応を変えさせたということであろう。
 隣の武蔵野市では同様に5ベクレルのセシウム汚染が見つかった牛乳(明治
ではない)を給食に出すことを中止している。町田市と同じ明治の牛乳を使っ
ていた世田谷区などでは自主的に区で検査をする体制を取るという。
 すぐに成果が現れないとしても、粘り強く迫り続けることが、企業の態度を
変えさせる唯一の道だと言うことを、今回の明治の対応が表しているのではな
いだろうか。
 たまたま粉ミルクを飲んでしまった子どもたちの健康にはおおきな不安が残
るかもしれないが、少なくても発見して取り除くことが出来たことで、この明
治については汚染粉ミルクが出回る可能性は無くなったのだとしたら、今後の
被曝量を低く出来た(残念ながらゼロには出来ないが)と考えるほかは無い。
 町田市の吉田市議のような取り組みが日本中で出来れば、明治のように対応
を変えさせることが可能だろう。文科省の「キログラムあたり40ベクレル基
準」などという恐ろしく高い基準を、自らの手で変えさせることも出来る。


★2.<テント日誌 12/6()
              たくさんの出会いと交流があるテント
                ―― 経産省前テントひろば 87日目 ――

  12月6日(火) 曇り。やや寒い。夕刻からは雨に。
 今日はいろんな人達がテントを来訪され、喋り続け、昼にはテント前リレー
トーク、午後は原賠審があって文科省前前段集会に参加したり、夜には交流会
とその準備等、多忙な一日であった。

 福島の二本松市から田口さんが来訪。この後原子力委員会の委員に会って話
をする予定だそうだ。二本松市の様子を伺う。椎名さんに紹介すると、椎名さ
ん「え~っ田口さん!」と感激の面持ち。福島でのMLで田口さんはよく投稿
されており、教えられるところも多かったそうである。初対面でも旧知の間柄
のような。
 そこへ、浪江町出身の方が、たんぽぽ舎と一緒にもんじゅの全国集会に行っ
てきたと、来訪される。ご両親達は浪江から東京に避難されているという。
  神戸から来訪された方は、神戸で「みちのく懇談室」を開いているという。
関西に避難されている方々の交流の場をつくるということで、月に1度開いて
いて、50名程が参加し、おくに言葉で悩みや苦労を話しつつ、励まし合い、
和んでいるという。母子避難の方々の経済的困難と精神的ストレスは大変なも
のだと言う。
 夕刻前には、以前に一度話し込んだ二本松出身で東京在住の女性が来訪。な
にかもうずっと知り合いであったようにうち解ける。
  昼間の時間帯、霞ヶ関の職員達が昼休み時間とあってテントの前をいっぱい
通っていく。で、職員の皆さんに訴えかけようと、女性達や原田さんでリレー
のスピーチ。
  午後2時から目と鼻の先の文科省前前段集会に参加。今日、結論が出るらし
い。新聞に出ていた様子では酷い内容のようだ。実際、結論が発表された時、
悲鳴のような叫びが湧き起こったという。自主避難している人たちの現実との
落差の大きさに愕然とする。
 前段集会の折に見かけた顔があった。10月にドイツ緑の党の副代表・ヘー
ンの福島行きに同行した折、通訳をしていた高田さんとスイスのジャーナリス
ト・ボースさんであった。
 2人はその後テントに来訪。テント設立のいきさつやその後の過程を説明。
高田さんは25年ほどドイツ在住で、当地で反原発運動に参加している活動家。
3・11後はたびたび日本に来ていて、福島にも足を運んでいるという。
 その時、テントにはドイツのジャーナリストもいて、ドイツ語・英語が飛び
交う。
 夜はテント運営会議の後、交流会。チゲ鍋ということで買い出し等に慌ただ
しかったが、交流会は20名程の参加で盛り上がる。西山監督の「命の闘争」
という映画の主題歌を歌っている九州の一樹さんが、自作の曲を弾き語りし、
椎名さんが石牟礼道子の「みなまた海の道」の一節を朗読。後半からは福島か
ら佐藤幸子さんも駆けつけて、盛り上がりは最高に。夜遅くまで、話は尽きな
い。

                        ( 文責 Y・T )


★3.読者から、集会のお知らせ
イ.柳沢裕子医師『低線量被曝と闘う』講演会のお知らせ

 柳沢裕子さんは、福島第一原発事故以来、福島現地をたびたび訪問し、子た
ちたちの診察・治療にたずさわってきた内科医です。低線量の内部被曝問題に
こだわり、研究と臨床を重ね、警鐘を鳴らしています。
 政府や評論家が言っていることは正しいのか? 健康を守るために何が必要
か? 私たち自身が何をすべきか? 柳沢医師の講演を聞いて考えていきたい
と思います。

●12月9日(金)18時30分~
●JR大井町駅前きゅりあん5階(大井町駅中央改札口ヤマダ電機前に案内が
立っています)
★きゅりあん5F(ヤマダ電機の建物)

◇主催 原発とめろ!新橋アクション
※当日は、資料代300円をお願いします

◇呼びかけ・連絡先:なんぶユニオン
  品川区大井1-34-5河野ビル3階
  TEL&FAX:03-3778-0717
  メール:nanbuunion@yahoo.co.jp


ロ.「原発責任・東京電力福島第一原発
―40年間の歴史と東電の抱える根源的問題―」

20111211() 14時から

会場 浜松市ザザシティ中央館5階パレットB
3・11福島原発事故から9か月、いま問う、原発責任


講師 山崎久隆さん

 今回は山崎さんを講師に、東京電力の原発推進の歴史、福島原発の歴史、原
発事故の実態について学び、浜岡原発の廃炉に向けて考えます。ぜひご参加を。
無料・カンパ歓迎。

講師紹介 1959年生まれ。「たんぽぽ舎」副代表。「劣化ウラン研究会」代表。
TUP(平和のための翻訳者たち)メンバー。86年チェルノブイリ原発事故以来、
原発の安全性問題を中心に活動。米英軍などが使った劣化ウラン兵器の影響も
調査し、廃絶の取組に参加。
共著書に『放射能兵器・劣化ウラン』(技術と人間)、『原発事故から身を守
る』(第一書林)、『原発の地震 防災はどうなっているか』(たんぽぽ舎)、
『冬の兵士』(岩 波書店)他。

主催 人権平和浜松053 422 4810


ハ.放射能汚染から見たチェルノブイリと福島

日時:12月11日(日)午後2時~
場所:周南市総合庁舎2階さくらホール
講師:今中哲二さん(京都大学原子炉実験所助教)「熊取6人衆の一人」
参加費:500円(資料代)
主催:原発いらん!山口ネットワーク

共催:自然エネルギー推進ネット・光,子どもたちの未来を考える親の会,N
ANA,ナチュラ?周南,原発を作らせない山口県民の会,日本キリスト教団中
国教区核問題特別委員会,ボイス・オブ・ヒロシマ

後援:(株)新周南新聞社,毎日新聞,読売新聞山口総局

問合せ先:武重(0820-22-0071),伴(0833-91-0225)


ニ.【固定価格買取制度で風力発電は変わるのか?】
 ~なぜこれまでの風力発電事業がうまくいかなかったのか。現状と今後~

 近年、風力発電の導入に急ブレーキがかかっている。立地、故障の多発、買
い取り価格、送電制限など、さまざまな要因に加え、国が政策として本気で風
力発電を増やす策を採ってこなかったからだ。
 こうした状況のなか、導入されることになった日本のFIT。導入すれば今
後、風力が増えていくのか? ペイする産業として成り立つのか? 法的に整
備が必要なものは? 日本での風車の適地はあるのか? 洋上風力発電に活路
はあるか? 等々の疑問について、現状での解決策、将来の解決策をしめしま
す。

日 時: 20111213() 18:4521:00(開場18:15
場 所: 大竹財団会議室(東京都中央区京橋1-1-5セントラルビル11F
交 通: JR東京駅八重洲中央口徒歩4分(八重洲地下街24番出口すぐ)
     東京メトロ京橋駅7出口徒歩3
     東京メトロ日本橋駅B3出口徒歩4
講 師: 斉藤純夫さん(ウィンドコネクト()代表取締役、
     法政大学サスティナビリティ研究教育機構兼任研究員)

参加費: 一般=500円/大竹財団会員・学生=無料
定 員: 25名 ※定員を超える場合は予約を優先します
主 催: ()大竹財団 Tel 03-3272-3900


★4.スペースたんぽぽからのお知らせ
イ.☆★原発についてみんなで観よう!ワンコイン上映・勉強会★☆

今年最後のワンコイン上映会のお知らせです。

1215日(木)1900~(1830開場※早く来た方への特典映像あり♪)

今回は以下3本です!

●肥田舜太郎先生 『低線量被曝の時代を生き抜く』 講演ビデオ (60分)
~元陸軍軍医で広島原爆直後の被害者の治療にあたった肥田舜太郎さんが大い
に語る~
●『未来への約束』高レベル放射性廃棄物の地層処分(30分)
電気事業連合会制作の原発PRビデオです。必見です!!

「わたしと一緒に地層処分について考えてみませんか?」by 「おしん」で有
名な小林綾子・ナビゲーター

●核廃棄物の映像 (30分)
10万年後ははたしてどうなるのか?

参加費500円です。是非、お越し下さい!


ロ.大好評ヨーガ教室の予定連絡

『優しく心と体を強くするヨーガ』はおかげ様で第7回を終了し、みんなで気
持ちよくヨーガを行なっています。
参加者の方々からは、頭痛などが改善されたとの嬉しい報告も♪

今年のヨーガは、1224日まで開催いたします。
来年は、114日から始めます!
是非遊びに来てください。おいしいお茶もご用意しています。

日時:毎週土曜日10001200
参加費:1500
持ち物:大きめのタオル・動きやすい服装

ご予約・詳細はこちらまで→ http://kokorokaradayoga.blogspot.com/
『優しく心と体を強くするヨーガ』
Twitterもやってます♪ : tampopo_yoga


★5.その他、デモの予定など
イ.電力8社と経産省を巡るデモ!1211日(日)

集合:12月11日(日) 午後1時、日比谷公園中幸門(日比谷図書館裏)
※千代田線・日比谷線「霞ヶ関駅」C1出口より200m
 丸の内線「霞ヶ関駅」B2出口より300m、都営三田線「内幸町駅」A7出
口より150m

※たんぽぽ舎関係者はデモの先頭グループになります。12時50分に集合し
10分簡単な打ち合わせをします。

・午後2時: デモ出発

デモコース地図はこちら

ロ.地震と原発事故情報 その258で★3.メルマガ読者から12月3日福井
県敦賀市もんじゅ廃炉へ集会参加報告中、「ナトリウムは、やっかいで、水に濡
れると核爆発を起こす危険があります。」と記述があります。ナトリウム自体は
核爆発は起こしません。もんじゅ自体は核爆発と呼ぶことのできるほど危険な
装置でしょう。(原田)

───────────────────────────────
[編集部より]
メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。
「集会・デモ・講演会のお知らせ」に関しては、タイトル及び内容を400
以内で、またその他投稿に関しては400800文字以内でタイトル及び内容
をお送り下さい。宛先は、magazine@tanpoposya.net です。
尚、お送り頂いた投稿は集会・デモ・講演会のお知らせを含めて紙面の都合上
全てを掲載できない場合があります。予めご了承ください。
───────────────────────────────
◆このメールマガジンのバックナンバーは、ホームページをご参照下さい。
◆電子メール(Eメール)送ります
たんぽぽ舎では、「地震と原発事故情報」を発信しています。
ご希望の方はご自身のEメールアドレスと氏名をたんぽぽ舎あてに件名を
「メルマガ希望」として送ってください。
登録できしだい発信致します(無料)
たんぽぽ舎のアドレス: nonukes@tanpoposya.net
◆携帯への送信は、1回の容量が多いためか配信されない例があります。
───────────────────────────────
たんぽぽ舎      たんぽぽ舎は、月曜~土曜-
           13:0020:00のオープンです。
                     日曜・休日は、お休みです。
101-0061
東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5F
 TEL 03-3238-9035  FAX 03-3238-0797

0 件のコメント:

コメントを投稿